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北山宏光、現状維持じゃないところを作っていきたい。「去年と同じことはしない」 新曲「ULTRA」は聴く人一人一人が当事者に

 歌手・俳優の北山宏光(Hiromitsu Kitayama)が、4月22日にシングル「ULTRA(ウルトラ)」をリリースした。昨年12月、ポニーキャニオンとTOBEの共同音楽レーベル「RED ON(レッド オン)」への移籍を発表し、その第1弾作品を発表する北山に、新レーベルへの思い、楽曲制作の裏側、ミュージックビデオ撮影現場で起きたULTRAな出来事、そしてここまでのソロ活動の総括と今後の展望などを聞いた。

新たな座組で挑む音楽活動に「ワクワク」

 新レーベルでの新曲発表に、「自分が今やってきたことと、ポニーキャニオンさんが今までやってきたことの融合ができたら」と北山。互いのいいカードを持ち寄っての「化学変化」に期待しているという。

 「TOBEに入ってから自分なりに音楽の軸を固め、アルバム制作やライブを通じてゼロからイチの難しさと面白さを経験させてもらいました。ポニーキャニオンさんとご一緒するにあたり、ポニーキャニオンさんの歴史と得意な部分と、自分がやってきたこと、お互いのカードの混ぜ合いで、化学変化的なものがどんどん起こっていけばと期待しています。受け取った方々に、『こんなことやりだしたのか』『楽しそう』と思ってもらえたらと想像し、ワクワクしている状態です(笑)」

 北山が持ち込むカードは何だろうか。「自分の体を通して表現すること」と口にする。

 「最終的にはコンサートのことまで考えて歌詞を書いたり、曲を選んだりしています。ライブやショーアップに対して、自分の体を通して表現することで、より曲が完成していくと考えています。それが僕のやりたいことでもあるし、強みでもあるのかなと思います」

 新レーベル第一弾シングルにもその思いを込めつつ、「聴いている人が満ち足りるというか希望にあふれるというか。今日頑張ろうでもいいけど何かこう一歩踏み出すとか、心のちょっと乾いている部分に水が入るような、優しい曲になればと思って制作に入りました」とコンセプトを語る。

曲名と歌詞に込めた命と時代を共有できる尊さ

 表題曲「ULTRA」は、「この業界に入るときのオーディションが同じだった」という藤家和依と制作。デモ音源を聴いた際、北山は「もうこれはULTRA」だと直感したと明かす。

 「友達の家族と出かけたとき、友達の子どもを抱きかかえて一緒にプールに入ったことがあって。そのとき何かもうキラキラしたものを感じて、生きているだけでこの子はULTRAだなと。それで藤家君の楽曲を聴いて、イントロから生命力とかその尊さを感じて、そのときの記憶と相まってULTRAだなと思ったのがスタートでした」

 曲名について、「感情的に思ったこともそうですけど、スペル的な意味合いもある」と説明する。

 「ULTRAのLとRを飛ばして読むと「UTA(歌)」になる。そして僕は左手と右手でその大切な命を抱きかかえたとき、ULTRAだって思った。それを歌にするということで『ULTRA』というタイトルになっています」

 「これで歌が生まれたらストーリーとしても僕の感情の動きとしても、これほど嘘のない言葉はない」とにっこり。ただ「そのまま歌詞にすると僕の経験だけになってしまうから、恋愛なのか青春なのかを濁しているというか。いろんな人が共感できるように、その出来事だけをピックアップしない曲にしています」と意図を解説する。

 「青春まっただ中の人が聴いたら自分がキラキラしている時代に生きていることに浸るのか。もしくは僕ぐらいの年齢の人は「あのころ懐かしかった」となるのか。世代が異なる人が聴いても何かしらフックになってキャッチできるような展開、歌詞にしました」

 ストレートでグッとくるフレーズが多いなか、「キラーワードは?」と投げかけると、「“この両手(L/R)で君を抱きしめた時 僕の中でUTAが産まれたから”かな」と返ってきた。

 「自分が思った感情をストレートに書かせてもらいました。その後の“同じ時代(とき)”を“共に生きる”は、その子と会えたこと、もしくはそれはファンの子に向けてかもしれない。この曲をコンサートで歌ったとき、その時間、その空間で一緒にいられることが尊いし、そのタイミング、その時代じゃないと会えなかったこと、といった含みは持たせています」

 表題曲「ULTRA」の聴きどころを、「当事者はあなたであってほしい」と北山は言う。

 「『ULTRA』は聴いてくれている人に向けて歌詞を書いています。きれいごとに感じる人もいるかもしれないけど、大勢に向けてというより純粋にタイマンで聴いてほしい思いがあります。聴いた人の、聴いてくれた人のために、届くように書いています」

まさかの再会で思いがけずULTRAな伏線を回収

 表題曲「ULTRA」のMV撮影では、曲名にふわさしい“ULTRAな出来事”があったという。

 「小学校低学年ぐらいの子から計100人ぐらい出演しているのかな。その中に僕が16歳ぐらいの頃に舞台とかバックダンサーをしていたとき、一緒にやっていたバックダンサーの方のお子さんが出ています。僕もバックダンサーでしたが、デビューさせてもらって今は一人でやっている。モニター越しにみんなちょっとウルウルしていました」

 その出来事を北山は「偶然だと思います」と話し、「ご縁があってお会いして、その子のお父さんが僕の振り付け師でしたが、その子も撮影現場に来ていて、そのときに抱っこしている写真とかを見て盛り上がりました」と笑顔を見せる。

 「そういうことも含めてエモさもあり、時を超えて点だったものが線になって、ひとつの作品になっている感じがしました。やろうと思ってもできることじゃないから、すべて今のタイミングでそうやって導かれているのだなと思いました」

リスタートだからこそレベルアップを目指した楽曲を

 2曲目として収録される「タイムトラベラ」について、北山は楽曲誕生のきっかけを、「ベーシストとして一緒にツアーを回ってくれていた藤家君と、地方でごはんにいったとき、『ライブにこういう曲あった方がいいかも』という話になった」と振り返る。

 「どういう方向性がいいかなと話していくなか、シティポップっぽいのをやってみようかとなって。後日、藤家君が持ってきたのが『タイムトラベラ』のデモでした。聴いた瞬間、タイムトラベラーだねと伝えたら、藤家君からは『意味がわからない』と言われました(笑)」

 藤家とは、「僕がこの業界に入るときのオーディションが同じだった」といい、藤家との楽曲作りは北山が「藤家君が独立してバンドスタイルでやってきていて、その楽曲を聴いていた。カッコいいと思った曲があって、どう作ったのかという話から一緒に作ろうとなり、遊びで作り始めた」ことがスタートと明かす。

 藤家との楽曲作りは、「タイムトラベラ」のように北山のインスピレーションを伝えることが第一歩で、「昔から一緒にやってきたから、僕が何を言いたいとかライブでどんなパフォーマンスがしたいとか、ライブのこういう進行の中のこういうポジションの曲といったことを理解してくれる。そういった咀嚼をしてくれるのはありがたい」と藤家に感謝する。

 「タイムトラベラ」の作詞で意識したことを、北山は「ファンタジーを歌詞にどう落とし込んでいこうかなと。架空の大都会を頭の中で作って、そこに男女なのだろうけど、どっちが歌っているかわからないようにした」と説明する。

 「女性も『僕』と言う人もいますよね。どっちで捉えられてもいいように書きました。ネオン街のビルの上、外に足を投げ出してパタパタしている二人がいて、ある一定の時間になると魔法のようなものを使える二人だけの空間がある。きっと絵本にしたら成立するような内容を、頭の中で作って描いていきました。目をつむって画を浮かばせながら聴ける曲で、世界観を想像できるとより面白い楽曲だと思います」

 通常盤収録の「11:11」は、作詞をSHUNとJua、作曲をSHUNとJuaと Melo、編曲をMeloが手がけ、北山含め4名のアーティストが参加したフィーチャリング楽曲となっている。この曲に関して北山は、「新しいレーベルになるタイミングで、これまでトライしていないことをやろうと思った」と意図を明かす。

 「現状をもっとレベルアップさせて、もっと攻めていこうという勢いのある楽曲だし、サビの部分はライブで一緒に騒げる印象もありました。みんなの経験値とかバラバラだったものをキュッと凝縮した楽曲は、自分一人の感性ではできない。面白いから乗るぞと思いました」

音楽の原点は2000年代J-POP

 多様な楽曲で楽しませてくれる北山の、音楽における軸は何なのか。北山は「聴いてくれる人に対してのメッセージ的なものが強いものは多い」と口にする。

 「言いたいけど言えないことを、直接的ではない表現で書いているところはあります。『波紋-HAMON-』は特にそうで、そういうときは歌詞が一気にワーッと出てきます。『タイムトラベラ』のようにストーリー性を持たせたときは頭の中のストーリーをアウトプットするし、言いたくても言えないことの歌詞もある。この色の照明でマイクスタンドを使って歌う演出をしたいと思ったら、逆算して書くこともあります」

 歌詞を紡いでいく際、「意味のないフレーズ、語呂がいいから入れている言葉はない」と言い切る。

 「どちらかというと『ここはこういう意味で』という方が多いかもしれない。もちろん、わざと少しずらして、どっちなのだろうと聴いた人に委ねるフレーズを使う場合もあります」

 自身の音楽のルーツは「2000年代のJ-POP」と北山。洋楽の良さを感じながらも、「J-POPの中にいることは大事にしている部分かもしれない」と自己分析する。

 「僕の青春ど真ん中は、初めてレンタルショップに行って、お小遣いでレンタルしたhide with Spread BeaverとかB’z、ゆず、GLAY、L’Arc-en-Ciel。X JAPANにもいったしハロプロにも。今でも盛り上がれる当時の曲は、何かしら日本人の国民性とのシンパシーがあるのでは。J-POPは好きだし、可能性がまだまだあると思います」

 さらにMr.Childrenも好きと話す北山は、当時の体験が「ULTRA」の歌詞に反映されていると語る。

 「曲を聴いていいなと思ったら、自分のストーリーで歌詞を書いて替え歌していました(笑)。実は(『ULTRA』の)“教科書で見つけた 落書きの跡のラブソングも”は、そんなことを思い出して書きました。きっと今の学生にも当てはまるかもしれないし、僕の経験として恥ずかしくて消したのを、もし教科書を引っ張り出してめくったら出てくるのだろうなといったことを歌詞にしました」

 2000年代J-POPの影響を「バリバリ受けています」という北山。音楽制作の面ではどうかと聞くと、「取り入れているというより、勝手になっている感覚はあるかも」と返ってきた。

 「当時のヒットソングを聴くと、日本語として気持ちいい音、言葉が並ぶなか、聴く人が脳内補正してストーリーを完成させているなと思いました。その補正をリスナーに投げてもいいのだなと。僕も目指す方向はあるけど、『このフレーズは一回こっちの思考に飛ばして、もうリスナーに任せてもいいかも』と、あえて一瞬、そこだけ文章を浮かせる手法を使う場合もあります」

ライブこそ命「現状維持じゃないところを作っていきたい」

 新レーベルでの楽曲発表という新たな一歩を踏み出した北山。ここまでのソロ活動を振り返り、「興味を持ってきてくれた人たちがいてこそ成り立っている音楽活動であり、曲を聴いてくださる方はもちろん、足を運んでくれる人にも感謝しています」と神妙な表情で語る。

 「コンサートは、来てくれた方が楽しめるようなものしかやらないぐらいの思いで作っているつもりです。そうは言っても『これをやってほしい』というだけなのは少し違うと思うので、毎回『何をやるのだろう』と期待してくれるものとのラインを探りつつのエンタメを作っていくことを目指していくべきなのかなと考えています。『北山くん、今年どんなことやるのかな』とワクワクして来てくれるお客さんがいることが大事だなと、改めて気づいた2年間の活動でした」

 その上で北山は、「応援してくださる方の熱量はすごく届いていて。USENの推し活などでも可視化されて伝わってくることがうれしい。支えられた2年間だったと思います」と感謝する。

 そんな常に挑戦し続ける北山にチャレンジしてみたいことを聞くと、「新しい座組になってどんどん楽曲を生んでいくこと、生み方もフィーチャリングなどいろいろやっていくこと、ゲームやアニメなどの音楽に入っていくことができたら」と前を見据える。

 さらに北山は「ライブ」の大切さを語る。

 「ライブが毎年ちゃんとできることもそうですけど、数を増やすのか、会場の規模を大きくしていくのか。とにかく現状維持じゃないところを作っていきたい。去年と同じことをしないようしたい」

 そんな北山は、どのぐらい先までの目標を立てているのだろうか。「たとえば5年後の目標と言っても、今の時代の流れからすると時代の流れが早く、どうなるか想像できない。少しずつ追いつくのか、それとも先を走っているのかわからないけど、その数字が出せない」と分析。「今年の一年、また来年の一年とか、一年単位で速度を落とさず全力でやっていくと、積み重ねた先に到達点がある」と語る。

ファンを楽しませるため、常に“種まき”を

 音楽活動と俳優活動の両立について、北山は「表現するということに関しては大まかには変わらない。表現、アウトプットの仕方の違い。もちろん技術的なことはあるけど、大雑把に言うと同じものという感覚です」と持論を展開。そして俳優と音楽の「親和性」の重要度を語る。

 「誰かが人気になるとかこの曲がいいと言われる際、ドラマが入口になる場合が多いと思っています。そこでたくさんのスターが生まれていくところも見てきたし、付随してたくさんの楽曲が知られていくところも見てきた。音楽と俳優は、自分がやってきたことでもあるから切り離す必要はまったくなくて、お話をいただけるなら、必要とされるならガンガン出ていこうと。それがきっかけで『北山という俳優がいる。音楽もやっているのか』という入口もあるし、楽曲を聴いて『俳優もやっているのか。作品を観てみよう』『面白い。こういうこともやるのか』と相乗効果しかない。入口はどこでもいいし、窓口は広く持っておくべき。バランスにもよるけど、バラエティでもいいと思う」

 ソロ活動を始めた1年目を「種まき」と表現していた北山に、今回のリスタートの位置づけを聞くと、「また種をまいていると言われるかもしれない」と照れ笑いを浮かべつつ、「ずっとずっとまかなきゃいけない」と力強く口にする。

 「スタッフさんも含めて大変なことだけど、種をまかない選択肢はない。だから、まき続けることが大切。今年もせっせと種をまいていると、気づいたらもう年末、来年になっているのかな。回収まで最低1年、むしろ1年以上かかりますからね」

 最後に今回のシングルを楽しみにしている人へメッセージをと聞くと、「聴いてくれるのも巡り合わせだと思う。その巡り合ったあなたに歌っていますみたいな感じかな」と返ってきた。

 「誰かの人生に寄り添える曲にできたら、聴いてくれたあなたに歌っているという思いで作りました。聴いた方も生きているだけでULTRAということを感じてもらえたら」

取材・文:遠藤政樹

<作品情報>
■Hiromitsu Kitayama New Single「ULTRA」
4月22日(水)発売

【初回生産限定盤A】(CD+Blu-ray)
スリーブジャケット仕様、歌詞ブックレット付属
品番:PCCA-06492/価格:1980円(税込)

CD収録内容(【初回限定盤A】【初回限定盤B】共通)
1. ULTRA
  作詞:Hiromitsu Kitayama、作曲:藤家和依/KNOTman、編曲:藤家和依/KNOTman
2. タイムトラベラ
  作詞:Hiromitsu Kitayama、作曲:藤家和依/KNOTman、編曲:藤家和依/KNOTman
3. ULTRA - Instrumental
4. タイムトラベラ - Instrumental

Blu-ray収録内容
1. ULTRA(Official Music Video)
2. ULTRA(Official Music Video) Behind The Scenes

【初回生産限定盤A】(CD+DVD)
スリーブジャケット仕様、歌詞ブックレット付属
品番:PCCA-06493/価格:1980円(税込) 

DVD収録内容
1. ULTRA(Official Music Video)
2. ULTRA(Official Music Video)Behind The Scenes

【初回生産限定盤B】(CD+Booklet)
スリーブジャケット仕様、歌詞ブックレット付属
品番:PCCA-06494/価格:2420円(税込) 

Booklet収録内容
“ULTRA” Documentary Booklet

【通常盤】(CD Only)※歌詞ブックレット付属
品番:PCCA-06495/価格:1430円(税込) 

CD収録内容
1. ULTRA
  作詞:Hiromitsu Kitayama、作曲:藤家和依/KNOTman、編曲:藤家和依/KNOTman
2. タイムトラベラ
  作詞:Hiromitsu Kitayama、作曲:藤家和依/KNOTman、編曲:藤家和依/KNOTman
3. 11:11
  作詞:SHUN/Jua、作曲:SHUN/Jua/Melo、編曲:Melo
4. ULTRA - Instrumental
5. タイムトラベラ - Instrumental
6. 11:11 - Instrumental

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