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なぜトヨタグループが日本の音楽を支援するのか。 クラウン(スポーツ)PHEVが灯した、エコな音楽イベントの可能性

DJブースにエネルギーを供給する、クラウン(スポーツ)PHEV (C)Oricon NewS Inc.

DJブースにエネルギーを供給する、クラウン(スポーツ)PHEV (C)Oricon NewS Inc.

 6月13日、サタデイナイトの東京は、地上波からネット空間に至るまでが真っ赤に染め上げられたかのように、J-POPアーティスト達の“響演”で燃え上がった。お台場“TOYOTA ARENA TOKYO”から生放送されたMUSIC AWARDS JAPAN 2026のグランドセレモニー(表彰式)は、“世界とつながり、音楽の未来を灯す日本代表選手”の活躍を祝福する壮行式のようでもあった。
実は、真っ赤に染め上げられたのは、この日だけでも、お台場だけでもなかった。遡ること1週間前から渋谷 Sakura Stageの多機能型イベントスペース“BLOOM GATE”をジャックして開催されたDJイベントで、街行く人の目と耳を楽しませていたのは、人気DJ達が回していた爆音の音楽だけでなく、1台の真紅のクルマ。え? クルマが音楽を鳴らす?――そのとおり。このDJブースに電力を供給していたのは、なんとトヨタのクラウン(スポーツ)PHEVだったのだ。

トヨタがサポートするMUSIC AWARDS JAPAN(以下、MAJ)のポップアップ・オープニング・パーティーと位置づけられたこのDJイベントを通じて、“音楽×モビリティ×サステナブル”をまさに目の前で体験することとなった、そんな一夜をレポートしよう。

トヨタとMAJを繋ぐ“MUSIC WAY PROJECT”

TOYOTAとCEIPAとの共創プロジェクト “MUSIC WAY PROJECT”

TOYOTAとCEIPAとの共創プロジェクト “MUSIC WAY PROJECT”

 そもそもMAJとは、日本音楽業界の主要5団体が設立した“CEIPA”(一般社団法人 カルチャー アンド エンタテインメント産業振興会)が主催する国内最大の国際音楽賞で、“日本版グラミー賞”と言えばわかりやすいだろうか。昨年、京都で初めて開催され、今年は場所を東京に移し、かつ、お台場・青海エリアと渋谷、六本木の多拠点で、1週間前から多種多様なイベントが催され、最終日となるTOYOTA ARENA TOKYOでの表彰式に盛り上げのピークを迎えるという趣向が凝らされた。渋谷Sakura Stageで1週間に渡って行われたDJイベント“TOYOTA GROUP presents MAJ NIGHT PULSE DRIVE supported by 東急不動産”も、その重要な役割を担うイベントの1つ。
 トヨタグループは、昨年の第1回MAJからトップパートナーとしてクルマと技術の両面からサポートをしているが、それを支えるコンセプトとして、昨年2月に発表されたCEIPAとの共創プロジェクト“MUSIC WAY PROJECT”がある。「日本の音楽が世界をドライブする」を合言葉に、音楽で世界に挑戦する“人”づくりと“場”づくりをセットで進めるという構想だ。

https://www.oricon.co.jp/pj/2026/pj16529_260619.html(外部サイト)

なぜトヨタは音楽に向き合うのか?

 国内では、“トヨタコミュニティコンサート”や“トヨタ・マスター・プレイヤーズ, ウィーン”などのメセナ活動を通じて全国の音楽活動を支援してきたトヨタ。その背景には、人と人の心を繋ぎ感動を生み出す力を持っている“音楽”に寄与することで1人でも多くの人の心を動かし、豊かな文化の創造に貢献したいという想いが込められている。その想いが近年、MUSIC WAY PROJECTを通じて、国内から“世界”へと伸長した理由を、同社豊田章男会長の次のような言葉から伺い知ることができる――イチローをはじめとして、現在もバスケットの八村塁やエンタメ界でもアンナ・サワイなど若者の活躍にいつも胸を躍らせていて、日本を飛び出して世界に挑戦する日本人を見ると応援したくなる。トヨタも自動車産業で“日本代表”として闘っているつもりだが、なぜかそのことを理解してもらえていない。そんな悔しさを感じているときにCEIPAの皆さんや都倉俊一さん(前・文化庁長官/作編曲家)と知り合い、日本のエンターテインメントも日本のために世界で闘おうとしていることを知って、純粋に応援したいと思った――と。

 そしてクルマは音楽とこんな共通点があるという――「クルマには数値で表す“スペック”があり、以前のトヨタはクルマの良さをスペックで語っていた。しかし、車の良さは数値だけで示せるものではなく、数値化できないエモーショナルな魅力がある。そして1台1台のクルマには“ストーリー”がある」――。だからこそ音楽から学ぶべきことがある、という関係性が、このプロジェクト根底にある。豊田会長が2026年冒頭の新年挨拶で、“会長としての残り時間でやらねばならないこと”の1つに“文化活動のプロモーション”を挙げていることも、その証左だと言える。 

渋谷Sakura Stage“BLOOM GATE”を 灯し続けたクラウン(スポーツ)PHEV

DJパフォーマンスを披露した、UNA+MACTHA (C)Oricon NewS Inc.

DJパフォーマンスを披露した、UNA+MACTHA (C)Oricon NewS Inc.

 そうしたトヨタ・グループの想いが“可視化”されたとも言えるのが、6月8日から12日に渡って催されたポップアップ・オープニング・イベント“TOYOTA GROUP presents MAJ NIGHT PULSE DRIVE supported by 東急不動産”だ。同期間中、9〜21時のオープン時間帯のうち、昼帯はMAJ 2026の数々のノミネート作品や授賞式の概要を紹介するコンテンツ展示に加え、MAJのテーマカラーである真紅のクラウン(スポーツ)PHEVが展示され、そして、夜18時から21時にかけては、界隈を賑わす人気DJたちが日替わりで登場。筆者が訪れた9日は、DJデュオとして変幻自在なプレイを聴かせるUNA+MACTHA、続いて、さまざまジャンルのアンセムをマッシュアップするスタイルで幅広い支持を得るRAM RIDERが、それぞれのスタイル・プレイを響かせると、Sakura Stageに遊びに来た若者や、買い物途中のご婦人、渋谷駅新南口改札を利用するビジネスパーソンたちの足を止め、次々と彼らの“耳”を奪っていった。
 一方で、彼らの“目”を奪っていたのが、DJブースへの給電を一手に引き受けていた“トヨタのクルマ”だ。クラウン(スポーツ)PHEV本体からヴィークルパワーコネクターを介して接続され電力をブース全体へと供給するケーブルが光る演出も、多くの観衆の目を惹くきっかけとなったに違いない。音楽に誘われてBLOOM GATEをくぐってきた若者たちが、この光るケーブルに一瞬目を留める――「何これ?」。そしてこの音楽が、トヨタのクルマからの電力で鳴らされていることを知ると、「そんなことにも使えるんだ?」「そんなにパワーがあるんだ」という“体験”に変化していたことだろう。
  • 電力を供給するクラウン(スポーツ)PHEV (C)Oricon NewS Inc.

    電力を供給するクラウン(スポーツ)PHEV (C)Oricon NewS Inc.

  • 電力を供給するクラウン(スポーツ)PHEV (C)Oricon NewS Inc.

    電力を供給するクラウン(スポーツ)PHEV (C)Oricon NewS Inc.

 この日DJを担当し、25年前の東京モーターショーでトヨタのハイエースのショーケースに出演したことがあるというRAM RIDER氏もこう語ってくれた――「トヨタさんという日本のフラッグシップの会社が、こういう音楽カルチャーに興味を持ってくださるのは、とても嬉しいですね。25年前は、ハイエースで特別仕様のサウンドを作ってもらって、その中でDJをやらせていただいたんですが、PHEVからの給電という形でやらせていただくのは今回が初めて。僕もハイブリッド車に乗っていて、例えば災害のときに、家にもう1つ電源が増えているという安心感がもともとありましたが、今回のように、DJブースに給電するという見せ方自体が面白いと思いましたし新鮮でした」。

当日、DJパフォーマンスを披露した、RAM RIDER氏 (C)Oricon NewS Inc.

当日、DJパフォーマンスを披露した、RAM RIDER氏 (C)Oricon NewS Inc.

クリーンエネルギーという設計思想

トヨタ自動車株式会社先進技術統括部の岡島博司氏 (C)Oricon NewS Inc.

トヨタ自動車株式会社先進技術統括部の岡島博司氏 (C)Oricon NewS Inc.

 トヨタ自動車株式会社先進技術統括部の岡島博司氏は、「クルマで発電して給電しているだけと思われるかもしれませんが、このプラグインハイブリッドのクラウン(スポーツ)PHEVにはクリーン電力をあらかじめ充電してあり、貯めた電力で走ることができます。その電力の使い途はさまざまに可能ですが、今回は音楽に使ってみることにしました。私たちは若者のクルマ離れを心配していますが、一方で、若い方々はテレビや新聞、雑誌に触れなくなったとしても、音楽は享受し、ライブには行っている。そこで私たちもぜひ、この文化的なイベントを接点に若い世代にリーチしていきたいという想いがあります。こういう機会を通じて、クルマってカッコいいよねと思っていただいて、友達と旅行するというときなど、カーシェアリングでもレンタカーでも、クルマを選んでいただけるように、少しでもなったら嬉しいですね」と、トヨタのクルマが“渋谷”の夜を盛り上げた理由を語る。

 クリーンエネルギーが使われたのは渋谷だけではない。岡島氏はこう続ける――「グランドセレモニーが行われるお台場エリア・青海の会場“TOYOTA ARENA TOKYO”の電力も100%再生可能エネルギーで賄われていますし、さらに、当日のレッドカーペットの演出も、発電・給電システムを搭載した燃料電池バス“Moving e”からの電源供給で一部賄っています。私たちは電気自動車に限らず、こういった水素燃料電池自動車であったり、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車など、複数の選択肢を用意していますが、今回のMAJにおいても、水素や、再生可能エネルギー、クリーンエネルギーからの電力供給を積極的に行っていますので、このイベントを通じて音楽とエネルギーのコラボレーションや、新たな可能性を感じていただけたら幸いです」。
 13日、大いなる飛躍を遂げて大成功のうちに幕を閉じたMAJ 2026。このイベントの盛り上がりを通じて、日本の音楽シーンが、世界で大いに活躍する可能性を秘めたアーティストの“宝庫”であることが、あらためて認識されたと思う。と同時に、MAJのボトムには、このイベントを“モビリティ、エネルギー、人づくり”の全面でサポートするトヨタの、“日本のコンテンツ産業を世界へ押し出す”という想いが通底していることがわかった。

音楽とクルマが交わるこの動きは、今後も加速していくに違いない。

(文・村田 誠司 写真・田地野 蓮)

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