オリコンニュース
新浜レオン、「愛のFIRE」で開いた新たな扉 目指すは唯一無二の「ジャンル・新浜レオン」
父から受け継いだ思い 演歌歌謡の枠を超えるために
![]()
『新浜レオン コンサートツアー 2026 〜New Beginning〜』より
新浜僕のすべての根底には、やっぱり父の存在があります。父は演歌のなかでも、完全に「ど演歌」の道を歩んできた人です。実は、僕が(西城)秀樹さんを知ったのも父がきっかけでした。父が本当に尊敬して、心から「なりたかった人」が秀樹さんだったんです。父が秀樹さんの曲をカバーしている姿を見たり、「父がそこまで尊敬している人ってどんな人なんだろう」と興味を持ったりしたところから、僕も秀樹さんに行き着きました。
そもそも父は、演歌一筋で今年45周年(※2026年時点)くらいになるのですが、姉も弟もいるなかで、歌うことで僕たち兄弟を育ててくれました。子どもの頃は父の苦労なんて全く見えなかったので、「歌を歌って僕たちを育ててくれるなんて、そんな最高な仕事ないじゃん!」と無邪気に思っていたんです。でも、自分が本気で歌手を目指すようになってからは、息子としては見たくないような(泥臭い苦労や理不尽な思いをしている)父の姿をめちゃくちゃ見るようになって……。こんなにまでして、僕たちを育ててくれたんだというのを、演歌歌手としての父の背中から思い知らされました。逆に言うと、そんな苦労を僕らに一回も見せてこなかった父って「なんなの、この人。すごすぎるよ」と、尊敬の念がさらに深まりました。
だからこそ、「父ができなかったことを、自分が絶対に達成したい」というのが、僕の一番の原動力なんです。父が人生で一番目指していた場所は、『紅白歌合戦』でした。本当に毎年、「紅白、紅白」と言っていました。でもある時、父が「俺はもう、そんなこと、言葉にもできない。『紅白』の厳しさを知っているからこそ、出たいなんて軽々しく言えないんだ」と漏らしたんです。
当時学生だった僕は、その悔しさが痛いほど分かって、「いや、俺が代わりに『紅白』に出るよ!」「僕は『紅白』に出たいです!」って、父の周りで公言していたんです。そうしたら、父のレコード会社の人たちから「お前、あの人の前で『紅白』に出るなんて二度と言うな」と怒られて。そう言われるたびにめちゃくちゃ悔しくて、「だったら、絶対に自分が叶えてみせる」と心に誓いました。その悔しさが、僕の大きなエネルギーになったんです。
『紅白』を目指すにあたって、「若い人にもっと演歌歌謡を知ってもらいたい」という思いが強くあったのも、すべてはここにつながっています。だからこそ、演歌歌謡の歌手として紅白に出るという目標が一昨年(2024年)に叶った時、本当に、人生で初めて両親に少しだけ恩返しができたような気持ちになれました。あの瞬間の景色は、今でも絶対に忘れられません。それが、僕のすべての根底ですね。
――演歌歌謡の世界で、よりトラディショナルな歌い方をすることも、きっとできると思うんです。でも、新浜レオンは、自分のなかで鳴っている歌を曲げずにここまで来ている、という印象を僕は持っているんですけど、そのあたりはどうですか?
新浜そうですね。入った当時、今ディレクションしてくださっている担当ディレクターも「演歌歌謡は初めてです」という方だったんです。まず僕が歌うと、わかりやすく演歌歌手が歌った、歌謡曲メロディの歌になるんですけど、ディレクターさんのターンになると、「ちなみに、ここをポップス的に歌うとこうなるんじゃない?」と。毎回、歌録りで3本録るんですけど、1本目は、僕がやってきた通り、演歌歌手として歌う。2本目は、全部自分を捨てて、ポップスだったらこの曲はこう歌えるという技術を使って歌う。で、3本目は、それを混ぜた歌い方で歌う。
毎回こういう録り方をするんですけど、それがすごく面白くて。演歌歌謡が好きで、若い人に伝えたい、伝えたい。でも、これって押し付けじゃん、と思っていて。今の流行りのものを知らない人間が、ただ「演歌歌謡を聴いてくれ」と言うのは失礼なことだなと3年目ぐらいから思い始めて。それなら、違う歌い方をもっと知りたい、ということで、ディレクターさんとのやり取りがより濃くなっていきました。
だから正直、最初はすごく我慢していたところもあります。もっとこぶしっぽく、ビブラートも、その幅も、もっと強くしたいのに、とか。でも、一人でも多くの人に聴いてもらう、ジャンルの壁を越える、という大きな目標のためだったら、「どっちかだったら、こっちだね」という選択はありましたね。
――ということは、「愛のFIRE」もそうですけど、今のボーカルスタイルは、もともとあったものというよりも、自分で選んで作り上げたものなんですね。
新浜そうですね。おっしゃる通りで、1本目の僕の歌い方だったら、毎回演歌寄りになっちゃうんです。でも、それってただの自己満足なんですよね。レコーディングブースから一度出て、客観的に両方のテイクを聴き比べた時に、「じゃあ、新浜レオンの音楽としてどっちがいい?」となったら、今選ばれている(メリハリをつけたロックな)方のほうが、100%良いと僕自身も心から思えるんです。だから最終的には、納得して自分自身で選んでいます。そこには何の悔いもないですし、自分の想いを押し殺しているような感覚も一切ないですね。
――素で歌うと、もっとこぶしが入ったりもする。
新浜そうですね。でも最近は、ようやくそこをコントロールできるようになってきたというか。あえて意識しなくても、自然に歌うだけでポップス寄りの歌い方が体に染みついてきて、自分の中にある演歌歌謡の成分と、ポップスの成分がすごくいいバランスで混ざってきているのかなと思います。
――ここから、どんどんいいバランスになっていくかもしれないね。
新浜ビーイング(現 B ZONE)でデビューが決まって、スタッフの皆さんといろいろなやり取りを重ねていくなかで、それこそ本当に大きな夢を持てたんですよ。「こんなこと、まだ誰もやってないな!」って。
演歌歌謡の世界には素晴らしい伝統がたくさんありますが、僕にはいわゆる固定の先生や師匠がいません。だからこそ、誰にも縛られずにそこからはみ出せるチャンスがある。それをやっている先人や、その完成形がまだ世の中に見当たらないからこそ、自分自身が新しいジャンルとして「新浜レオン」になれるんじゃないか、という夢を持てた。それが、僕にとってのデビューの原点だったんです。
今でも、もちろん明確な答えが見つかっているわけではありません。だけど、その誰も歩んだことのない道を突き詰めていったら、絶対に何か新しいものが生まれると信じて、毎日全力でやっています。まさに、誰もが「それが欲しかったんだ!」と叫びたくなるような、そんな唯一無二のロックな存在になりたいですね。
――「今までなかったよね。でも知っちゃったら、もう逃れられないよね」と、一人でも多くのリスナーに言わせる。そのチャンスだと思う。
新浜すごく目指したいですね。でも、本当に一歩一歩なんですけど、「正直、こんなにも壁があるんだ……」ということもたくさんあって。たとえば、「演歌歌謡? じゃあ、この雑誌には出られない」「この番組への出演は無理です」とか。ジャンルの壁を理屈抜きで突きつけられることもあるんです。「壁をぶち破る」というのは、本当にものすごいことなんだなと毎回思い知らされます。でも、だからこそ、そういう悔しい思いをするたびに「絶対に超えてみせる!」って、心に火がつくんですよね。そういう高い壁をすべて乗り越えた先にある存在を、僕は本気で目指していきたいと思っています。
「ジャンル・新浜レオン」へ 歌手として見つけた新たな現在地
『新浜レオン コンサートツアー 2026 〜New Beginning〜』より
新浜この「愛のFIRE」を歌って、やっとなんですけど、メッセージを届けたいという気持ちが強く出てきたというか。これまで活動していく中で演歌歌謡のカバー曲を歌う機会も多いので、どこか「自分以外の誰かを演じる」という感覚が強かったんです。だから、歌手としての一番大切な、自分としてのメッセージ性が、ついつい置き去りになっていたところが、すごくあったんですよね。でも、この「愛のFIRE」という楽曲を通して、歌っている意味、何のために歌っているのかという、歌手としての根底を見つめ直すタイミングが今、まさにきています。自分としてのメッセージを持つこと、それ自体が、また一歩「ロックになれる」ということなのかな……。まだ分からないですけど、そう感じています。
だから最近は、自分で作詞をしたい、作曲をしてみたいという気持ちも、自分の中でどんどん芽生えてきているんです。
――とてもいいと思います。でも、自分で書かないとメッセージが乗らない、ということでは決してなく、「愛のFIRE」を例に引くまでもなく、自分が書くよりも、誰かが「あなたはこういうことが歌いたいんじゃないの?」と書いてくれるほうが、本質を突いていることはままあるから。
新浜そうですね。これがまた「演歌といえば、この歌い方でしょ」っていう固定観念と、まさしく同じような話だなって。最近、自分なりにいろいろ作詞や作曲を勉強していて、「これどうですか」と提案しているんですけど、「いやいやレオン、世間が求めているのはそういうことじゃないよ」と客観的な意見をいただいてハッとさせられることもすごく多くて。そういう音楽の本当の深さにぶつかることが、今は日々楽しいですね。音楽をやってるな、という実感が、最近はより強くなっているかもしれないです。
――次はどういう曲が来るんでしょうね。今、どんな感じなんですか?
新浜どうなんですかね。もう7年……、ここ(激しいロックな)路線をもっと極めていったほうがいいのか、とか、それとも逆に、一回バラードをやってみるべきなのか、とか。まだ迷ってます。周りの人の声も冷静に聞きたいですし。
実は今回のツアーを終えてみて、すごく嬉しいことと、猛烈に悔しいことが明確に浮かび上がってきました。新曲の「愛のFIRE」を発表して、その反応自体はすごく良かったんです。でも、ツアーを通して関係者の皆さんやファンの皆さんにアンケートを取った時に、圧倒的に多かったのが「『傷だらけのローラ』が最高でした」「『ブルースカイ ブルー』が良かったです」という声でした。結局、秀樹さんのカバーに対する評価が、正直に言って圧倒的に一番だったんです。
秀樹さんへの最大のリスペクトを込めて、今回のツアーではあえて「傷だらけのローラ」や「YOUNG MAN(Y.M.C.A.)」といった、王道中の王道の楽曲をセットリストに入れさせていただきました。誰もが知っている王道曲に挑む難しさ、その挑戦自体は分かっていたので、そこで「一番良かった」と言っていただけたのは、純粋にめちゃくちゃ嬉しかったです。
でもそれと同時に、「まだオリジナル曲では秀樹さんのカバーに勝てていないんだ」という、悔しさも強烈にありました。
じゃあ、なんで秀樹さんのカバーがあれほど届いたんだろうと考えた時に、歌にすべてを捧げて魂を憑依させている感じや、そこから溢れ出る熱量そのものが、最終的な評価に繋がっているんじゃないかと思ったんです。だとしたら、次はもっと自分自身がのめり込める、魂を深く込められるオリジナル曲を作らなきゃいけない。それがバラードなのか、もっと激しい曲なのかはまだ分かりません。だけど、とにかくその「熱量の限界を極める」ということこそが、今の僕が向かうべき場所なのかなと思っています。
――演歌歌謡のなかで戦うんだ、というルールがありますよね。そして、西城秀樹の曲を歌う。歌うことにしたわけだから、それを背負っていかなきゃいけない。スライディングもしなきゃいけない。始めたからには、求められている以上、やめるわけにいかない。そのなかで、シンガーとして、「これなんだよ」というスタイルをしっかり作らなきゃいけない。今は作っている最中だと思うし、この「愛のFIRE」で一つヒントが見つかったんじゃないかなと思うんですよね。
新浜そうですね。でも今回の大きな気づきとしては、やっぱりこの「愛のFIRE」でも、「ちゃんと自分の中にも魂があるな」と自分自身の熱量を再確認できたことなんです。間違いなく新浜レオンにとって新たな扉というか、また違う新たな一歩にはなっていると確信しています。まだ「もっといけるでしょ」というか。伸びしろしかないなと。
――自分のなかに、伝えたい思いの源泉があることが再確認できた。この泉をどこまで掘ったらいいんだろう、という新しいテーマが出てきたというか。
新浜そういう意味では、まず一つはあった、ということなのかもしれないです。
――でも、本当に良かったですよね、この曲と出会えて、その源泉の存在を再確認できて。
そうですね。このタイミングでこういう(ロック剥き出しの)曲に出会えていなかったら、ずっと笑いながら歌ってたかもしれないんですよね。世間から「こういう新浜レオンが求められているよね」というイメージに乗っかっていくというか。そういう作業になっていたかもしれないですね。
――すごくいい歌ですよね。なんというか、あるべきものがある歌、という感じがします。
新浜ああ、それは今、嬉しい言葉ですね。あるべきものがある。すごくわかります。
――そういう歌が歌いたかったんですよね。
【新浜】本当にその通りです。SNSとか、バズるためとか、もちろんそれも大事ですけど。時代とともに自分も生きていきたい、というのもあるし。でも、そういったトレンドを超えて、自分が歌手として一番大切にしていかなきゃいけない、忘れてはいけないものに、目覚めさせてくれた一曲になりましたね。だから今は本当に、来年に向けて、次の曲のことを考えていて。どう裏切っていくか。それですね。来年、「ここに来たか」と思ってもらえる作品をしっかり出せるように、この道、「ジャンル・新浜レオン」を極めます。
インタビュー:小�蜻蝠縺iInterview inc.)
『新浜レオン コンサートツアー 2026 〜New Beginning〜』より
■新浜レオン 1st EP「New Beginning」Special Edition盤
発売中
新浜レオン 1st EP「New Beginning」【あっぱレオン盤】ジャケット
品番:JBCK-4038
1. LOVE しない?
作詞:こっちのけんと 作曲:こっちのけんと、野口大志 編曲:野口大志
2. 愛のFIRE
作詞:小泉果奈 作曲:徳永暁人 編曲:徳永暁人
3. 言い訳ナイナー
作詞:S-H-Y 作曲:後藤康二 (ck510) 編曲:後藤康二 (ck510)
4. LOVE しない?(Sound Inn S ver.)
アレンジ:船山基紀
5. 愛のFIRE(オリジナルカラオケ)
新浜レオン 1st EP「New Beginning」【パワーみなぎレオン盤】ジャケット
品番:JBCK-4039
1. LOVE しない?
2. 愛のFIRE
3. 言い訳ナイナー
4. 全てあげよう(Sound Inn S ver.)
アレンジ:島田昌典
5. LOVE しない?(オリジナルカラオケ)
新浜レオン 1st EP「New Beginning」【心晴れ晴レオン盤】ジャケット
品番:JBCK-4040
1. LOVE しない?
2. 愛のFIRE
3. 言い訳ナイナー
4. ブルースカイ ブルー(Sound Inn S ver.)
アレンジ:斎藤ネコ
5. 言い訳ナイナー(オリジナルカラオケ)
■「LOVE しない?」
TBS系『王様のブランチ』4月エンディングテーマ
■「愛のFIRE」
読売テレビ・日本テレビ系全国ネット『名探偵コナン』オープニングテーマ
■「言い訳ナイナー」
NHK『みんなのうた』2026年2-3月




