テレビの再放送で出会う名作ドラマや、自身で足を運ぶ書店で出会う本など、かつてあった“コンテンツとの偶然の出会い”は、いまや少ない。趣味嗜好 がよりパーソナライズ化されるなかで“偶然の出会い”の一端を担うのが、作品の裏側や作品の魅力を解き明かすコンテンツだ。作り手や売り手など様々な立場がフロントに立ち、ファン層から支持されるだけではなく、“初見”から人を呼び込むコンテンツとして機能している。書店チェーン・有隣堂が運営する公式YouTubeチャンネル『有隣堂しか知らない世界』は、開設から6年経った今も1本あたり20万前後の再生数を維持し、今年2月にはチャンネル登録者数50万人を突破した。書店らしさにとらわれず、「本好き以外」の人が視聴するための切り口を模索することもあるという。創業116年の老舗が現代で追求する書店の姿とは何か。担当者に話を聞いた。■開設当初は再生数が伸び悩むも、”偏愛の熱量“を全面に押し出し突破口に 商品について宣伝や解説をすることが一般的な企業の公式アカウント。しかし、株式会社有隣堂のYouTubeチャンネル『有隣堂しか知らない世界』が見せるものは、一風変わっている。毎回、その回のテーマに詳しい同社スタッフらが出演し、MCを務める”素直すぎる”ミミズクのキャラクター「R.B.ブッコロー」との小気味よいやり取りの中で、その偏愛っぷりを披露する。 そんな番組に登場するスタッフに必要なものは、タレント的な素質よりも「商品に対する愛情の深さ、偏愛、熱量」だとYouTube企画を担当する社長室デジタルクリエイティブチームの渡邉郁さんは言う。
2026/06/01