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日本一「たばこ税」を還元する街? 地価のお高い東京・港区で“コンビニ内”喫煙所が増えたワケ、条例制定10年の試行錯誤
コンビニ内の喫煙所が増えたワケ、当初はゼロだった助成金申し込みが設置要件緩和で爆増

助成金を活用、エコロパーク芝大門第3駐車場駐車場内指定喫煙場所
とはいえ、最初から助成金活用がうまくいったわけではなく、初年度は申請が1件、翌年はゼロという惨憺たる結果だったという。
「喫煙所は設置して終わりではなく、清掃や電気代等にも手間と費用がかかることが、民間のみなさんの二の足を踏ませていた原因でした。そこで2015年より、維持管理費に対しても助成金を設定。併せて、当初の喫煙所の設置要件は20平米以上だったのですが、港区の地価を鑑みて5平米以上としたところ、たちまち申請が増えました。さらに今年度からは、設置要件を2.5平米以上に改定しました。喫煙所を設置はしたいものの、4.8平米といった微妙なスペースしか確保できないというケースも聞かれるようになったためです」(環境政策係・大隅亜樹氏)
実はこれ、コンビニと喫煙者の“親和性”をにらんだ改定なのだという。港区在住・在勤の人は、近ごろ店内に喫煙室を設けるコンビニが増えていることにお気づきかもしれないが、これはまさに助成金制度のおかげ。同様の取り組みは他区や都市部でも徐々に進んでいるようだ。
多くの自治体から視察が続々、「共存できる街づくり」を全国へ
助成金を活用、paspa新橋4丁目指定喫煙場所
「全域での路上喫煙禁止に向けた取組を進めているある自治体から、たばこを吸う人も吸わない人も安全・安心に共存できる街づくりのために、『港区の取り組みを参考にしたい』とご相談を受けました。そのほか、近年は全国の自治体さんが視察にみえることが増えています」(大隅氏)
闇雲にたばこを排除するのではなく、多額のたばこ税をきちんと見える形で還元し、喫煙者も非喫煙者も過ごしやすい社会を提示してきた港区。今はまだ課題として残っている国内外からの来街者への周知徹底も、「タバコルール」の先駆的な自治体として成果を期待したいところだ。
(文:児玉澄子)
■みなとタバコルール(外部サイト)