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「マーガリン=体に悪い」はもう古い? 大手メーカーが明かす令和マーガリンの現在地
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報道をきっかけに広がった「体に悪い」イメージ
その後、欧米では規制が進んだ。WHO(世界保健機関)とFAO(国連食糧農業機関)は摂取量を総エネルギー摂取量の1%未満に抑えるよう勧告し、米国では2006年から含有量の表示が義務化された。日本の食品安全委員会は2012年3月の評価書で、日本人の大多数は摂取量がWHOの目標を下回っており、通常の食生活での健康への影響は小さいとした。
雪印メグミルクの担当者は、当時をこう振り返る。
「当時のマーガリンには部分水素添加油脂を使った商品があり、100gあたりでみるとトランス脂肪酸を比較的多く含む食品の一つでした。そのため代表的な食品として取り上げられ、『マーガリン=体に悪い』というイメージが広がったととらえています」
市場は3年で約3割縮小、健康・安全性に関する問い合わせも増加
「市場縮小にはさまざまな要因があり、すべてをトランス脂肪酸への懸念によるものと切り分けることはできません。ただ、当時お客様の関心が高まっていたことは、お問い合わせからもうかがえます」
なぜマーガリンにトランス脂肪酸が含まれたのか
「健康リスクがあるとされる工業的トランス脂肪酸は、大部分が部分水素添加工程によって生成される、と考えていただいて問題ありません」
マーガリンに部分水素添加油脂が使われてきたのは、その性質ゆえだ。固体状でありながらナイフですくいやすく、温かいパンに塗ると溶ける。大豆油などの液状の油やヤシ油などの固体状の油脂だけでは再現が難しく、加工で硬さを調整した油脂を組み合わせてきた。
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ただ、減らせばよいという話ではなかった。部分水素添加油脂には、冷蔵庫から出してすぐでも塗りやすい柔らかさや、口に入れるとすっと溶けて風味を感じやすいという特性があったからだ。
雪印メグミルク公式ホームページより
現在はエステル交換油脂などを中心に使うが、部分水素添加油脂に比べて硬さを調整できる幅が狭く、開発の難易度は高い。同社はトランス脂肪酸含有量の少ないさまざまな油脂を組み合わせ、独自の乳化技術、油脂加工技術、結晶化制御技術などで品質を両立させた。
マーガリンとバター、何が違う?
「マーガリンは使う油脂や原材料の組み合わせで、冷蔵庫から出した直後でも塗りやすいといった使いやすさを実現できます。バター風味や甘味系など味わいの設計も幅広く、脂肪分やコレステロールに配慮した商品もつくれます。バターに比べて日常的に買い求めやすいのも魅力です」
令和のマーガリンに求められる価値
雪印メグミルク公式HPより
販売面では、市場は長期的に縮小傾向にあるものの、2025年は家計調査で購入数量・支出金額ともに前年を上回った。物価高による節約志向に加え、バター価格の上昇でマーガリンの値頃感が高まったことなどが背景とみられる。
求められる価値も、健康面だけではなくなった。直近の調査では「価格が安い」に加え、「バターの風味が強い」「コクがある」といった味わいへのニーズが前回から増えている。開発ではトランス脂肪酸の低減に加え、塗りやすい配合や開けやすい容器、コレステロール値の記載、原材料を確認しやすい裏面表示など、使いやすさと分かりやすさを重視する。今後は少人数世帯の増加を見据え、使い切りやすい容量も検討していく。
最後に、今も「現在のマーガリンについて知ってほしいこと」について雪印メグミルクの担当者はこう呼びかける。
「現在のマーガリンは、トランス脂肪酸が大きく話題になった当時から大きく変わっています。こうした取り組みは業界全体でも進み、国内で流通するマーガリン類のトランス脂肪酸含有量も以前より低下しています。過去のイメージが残っていることは、メーカーとして向き合うべき課題です。私たちとしては、これまで進めてきた取り組みを分かりやすくお伝えするとともに、現在のマーガリンのおいしさや使いやすさについても知っていただきたいと考えています。そのうえで、それぞれの食生活に合った選択肢の一つとして、マーガリンを選んでいただければと思います。そのうえで、それぞれの食生活に合った選択肢の一つとして、マーガリンを選んでいただければと思います」