渾身のモデルチェンジ
アウディのミドルサイズSUV「Q3」の新型が日本に上陸。デザインやインターフェイスは新しくなっているが、さまざまな事情によってクルマとしての基本コンポーネンツは先代を踏襲しているのが3代目の実情だ。果たしてそれが吉と出るか凶と出るか。FWDのエントリーグレードを試す。
真新しい操作系
新しくなったQ3はほかのアウディ同様、電気自動車(BEV)とは別系統のエンジン搭載モデルである。Q3と同等クラスにあたるBEVは「Q4 e-tron」で、内外装デザインや車体サイズはQ3とよく似ているが、実際にはプラットフォームからすべて別物だ。
アウディを含めた欧州メーカーの多くは、近年、もてる開発リソースの大半をBEVに振り向けてきた。なので、エンジン搭載車はフルモデルチェンジといいつつ、プラットフォームやパワートレインなどの基本コンポーネンツは従来改良型にとどまるケースが大半。新型Q3もその例にもれず、プラットフォームはもちろん、ホイールベース値も含めたパッケージレイアウトも先代と変わらない。1.5リッターターボと2リッターターボという2種類のエンジンや7段DCTも、表向きは先代からのキャリーオーバーとなる。
ただし、インターフェイスは一新された。なかでも注目は、従来の2本のコラムレバーをなくしたことだ。かわりに、シフトセレクターとウインカー/ワイパー操作部を一体化したバーが、ステアリングコラムに固定される。シフトとウインカーはそれぞれ先端のスライドスイッチで操作することになるが、その適度なクリック感が心地よい。また、ウインカースイッチには、作動中は固定されて停止すると元位置に戻る……というアナログ感覚が残されており、この種の新機軸ではめずらしく、初見から操作に戸惑わないのには感心した。
さらに、フォルクスワーゲングループの上級ブランドでおなじみのアダプティブクルーズコントロールスイッチの意匠も一新されたが、コラムツリー式という独特の基本形式は継承された。走行中に目視するのがほぼ不可能なツリー式は、慣れないと使いにくいのだが、ブラインドタッチができるくらいになると、一般的なステアリングスイッチより邪魔にならずに使いやすい。...