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【コミックシーモア】『十億のアレ。〜吉原いちの花魁〜』“奢り奢られ論争”にも通じる?「男に救われることをゴールにするな」名言に反響

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「一人で立つことをゴールにするんだ」“奢り奢られ論争”にも通じる名言に多くの反響

    ──吉原から抜け出したいアザミが大金持ちのイケメンから身請けを打診されるエピソードは、予想外の展開に転がっていきます。どのような思いから描いたのでしょうか?

     「江戸時代の遊女たちの理想は、お金持ちに身請けされて吉原を辞めることでした。でも、『べらぼう』でも描かれたように、遊女が身請け後に幸せになれるとは限りません。もちろん当時は遊女を続けること自体が命懸けでしたから、辞められるだけでも十分だったのかもしれません。ただ、“お金で女性を自分のモノにしようとする”というシステムの不均等さに対する疑問はずっとありましたね」

    ──一方で、アザミに「男に救われることをゴールにするな。一人で立つことをゴールにするんだ」と言う男性も登場します。このセリフ、SNSで白熱している“奢り奢られ論争”に通じるところもあってか、多くの読者が「名言!」とコメントしています。

     「苦しい状況から抜け出させてくれる都合のいい男性を待つなんて、不確定要素が多すぎますし、だったら自立を目指したほうがいいと思うんですよね。私、『結婚を迷っている』といった相談をされると、つい『お金を貯めよう』と言ってしまうんです(笑)。ようは、何かあったらいつでも離婚して自活できる貯金があれば、結婚も迷いなくできると思っていて。その考えを何らかの形でマンガにも描きたかったんですよね」

    ──そんな本作は、2021年には『みんなが選ぶ!!電子コミック大賞』も受賞しています。

     「ただただ驚きで、私の弱音をいつでも受け止めてくださる編集者さんには感謝しかありません。(連載している)シーモアコミックスは、マンガ家に対するサポートがとても手厚いんですよ。昨今、SNSで多くのマンガ家さんが提起している“単行本の表紙の原稿料が出るか出ないか問題”にも即座に着手してくれました。執筆の環境がどんどん改善されているからこそ、安心して連載が続けられているところが大きいですね」

    ──絵や登場人物の魅力はもとより、多くの読者が奥行きのあるストーリーに引き込まれています。今後どんなところを楽しみにしていてほしいですか?

     「伏線のある話が好きでそれを意識して描いているので、『あの時のあのセリフがここに繋がってる!』みたいに読み返していただけたら、こんなにうれしいことはないです。女性がどう生きるかが本作のテーマなので、読者の方が女性であることに希望を持てたり、状況が少しでもポジティブな方向に進むきっかけになれる着地を目指しています。軽い気持ちで読んだら、『最初に思ってた感じと何か違うぞ』と感じてもらえたら理想ですね」
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    ■『十億のアレ。〜吉原いちの花魁〜』(外部サイト) 

    (文:児玉澄子)

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