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193億円の大赤字から復活を遂げたRIZAPグループ瀬戸健社長「過去の経験を失敗と思ったことはない」
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痛みを伴って刻み込んだデータに勝るものはない
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瀬戸 健社長 私は、これまでに自分の経験してきたことを「失敗」だと思っていないんです。すべては「実験」だと思っています。例えば、AIもゼロから答えを生み出しているわけではなく、蓄積された「データ」から答えを導き出しているに過ぎません。つまり、データがないと何も生み出せないわけです。
RIZAPグループ代表取締役社長 瀬戸健さん(写真/草刈雅之(C)oricon ME inc.)
瀬戸 健社長 人間も同じですよね。小さい頃、親に「バカ!」と言ったら怒られたとか、「ありがとう」と言ったら喜ばれたとか。それらすべてが自分の中に蓄積される行動データなんです。そうしたデータベースがあるからこそ、次の行動を選べる。ですから我々も「新しいデータを貯めていくという実験」をしていかないと、自分の可能性やポテンシャルを最大化することはできません。すべてはデータの積み重ねだということです。
明るく開放的な「chocoZAP」店舗内
瀬戸 健社長 その通りです。私自身の経験則から、「こうしたら、このような結果が出る」と語れるのは、誰よりも多くの「データ検証」を行ってきたからこそ。本を読むのも重要ですが、自分で痛みを伴って刻み込んだリアルなデータに勝るものはありません。
「chocoZAP」店舗内
瀬戸 健社長 もちろん命を失うようなリスクは避けるべきですし、最悪のケースを常に想定することは不可欠です。ただ、人間が恐れている「最悪のケース」というのは、正しく検証してみると、実は何とかなるケースがほとんどです。少なくとも命までは取失いませんし、失恋したって、世の中には何十億人も人がいます。友達と喧嘩したって、会社を辞めたって、一時の不安に襲われるだけで、冷静に見つめ直せば取り返しがつかないことなんてそうそうありません。
企業家は4回倒産できる!? “最悪のケース”の内訳なんて意外と「幸せな生活」
RIZAPグループ代表取締役社長 瀬戸健さん(写真/草刈雅之(C)oricon ME inc.)
瀬戸 健社長 私が最初に夫婦で会社を作った時、海外のデータで「1000億円以上の資産を築いた経営者は、平均して3〜4回会社を潰している」という記述を見たんです。それなら自分も4回はチャレンジしようと計算しました。まずは自分の貯金でやって、次は妻の貯金でやる。それがダメなら、私が保証人になってやって、最悪の場合は破産する。最後は奥さんの保証でやる。これで計4回チャレンジできるなと。
瀬戸 健社長 じゃあ、万々が一、その4回すべてがダメだった時の「最悪のケース」とはどんなものか? 当時、2人合わせれば普通にアルバイトでも月40万円くらいは稼げるだろうと考えました。日本国内なら月40万円あれば、一定の生活ができます。それが私にとっての「最悪」の正体だったんです。そう思えれば、何も怖いものはありません。1回の失敗を過大解釈して「人生の終わりだ」と無限の不安に襲われる必要はないんです。
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瀬戸 健社長 そうですね。データの蓄積をして何も学ばずに終わってしまえば、それこそ本当にただの損失です。ですが、成功している人ほど、失敗の大小にかかわらず、貪欲にそこから「データ」として学びを吸収しています。新卒であろうとベテランであろうと、成長したい人は失敗からも成功からも絶対に学びを得ます。逆に、それをデータ蓄積できない人は、取り組みを他人のせいにして、「自責」にしていないことが多いです。自分のせいで失敗したと思えば、当然痛みもあるし苦しいですが、だからこそ次に活かせる。「自責」に捉えることこそが、最大の成長の源泉だと思います。
193億赤字の謝罪会見をあえて息子に見せたワケ「“自分のため”ではなく、“誰かのため”にこそ覚悟が生まれる」
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瀬戸 健社長 人間は「自分のため」ではなく、「誰かのため」にこそ覚悟が生まれます。その覚悟を持つと、結果として「自信」が後からついてくるんです。どんなことがあっても絶対に成し遂げるという覚悟が決まれば、あとはやるだけですから。成功する確率は高くなります。電車でお年寄りに席を譲った時、譲った側の自分まで嬉しい気持ちになりますよね。サプライズを仕掛けた側が、された側よりも感動して泣いてしまうこともある。これらはすべて、人に何かをギブしているようで、実は自分自身が一番大きな心の充足感を得ているんです。
瀬戸 健社長 「好きの反対は無関心」という言葉があります。私はメンバーに対して、深い愛情と関心を常に持っていたいんです。愛情があるからこそ、「この人はもっとできるはずだ」というポテンシャルに期待しますし、メンバーが持つポテンシャルを最大限に活かせる環境を提供したい。新卒であっても可能性のある人間にはどんどん新しいチャレンジをさせて、経験という名の「データ」を積ませていきたい。それが私の考える育成であり、継承の形です。
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