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【子どもの目の日】子どもの“隠れ視力低下”、なぜ親が気づかない? 近視予防に取り組むロート製薬が警鐘
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5割以上の親が子どもの「見えづらい」に気づかない、なぜ“親子ギャップ”が生まれる?
ロート製薬「こどもの目の白書2024」より
さらにロート製薬が小学生の目に関するアンケート調査をまとめた『こどもの目の白書2024』(外部サイト)によると、裸眼視力の低下によって61.6%の小学生が「授業で黒板が見えにくい」など生活に影響があることが明らかに。その一方で、55.2%の親がそんな子どもの状況に気づいていなかったことが浮き彫りとなった。
なぜ、このような“親子間ギャップ”が生まれてしまうのか。「まずひとつは、子ども自身が見えにくさを不調と捉えにくく、言語化できないという問題がある」とロート製薬の担当者は分析する。
「歯痛と違い、視力は少しずつ低下するため不調を訴えにくいのです。『ちょっと遠くが見えにくい』という困りごとを我慢するうちにそれが当たり前になり、気づいたときには進行しているケースが非常に多いです」
さらに現代特有の盲点が、子どもの心理だ。「不調を訴えたら、スマホやタブレット、ゲームの時間を制限されるかもしれない」という恐怖心から、見えにくさを親に隠してしまうのだという。また、大人のように将来へのリスクが想像できない子どもは、多少見えづらくても今が楽しければ問題ないと捉えがちだ。同社が小学生に対して行った特別授業でも、「クラスのみんなもメガネだし、かっこいいからいい」という声もあり、視力低下やメガネをかけることに対する子ども自身の受け止め方にも変化が見られたそうだ。
6〜8歳ごろまでにほぼ完成する目の機能、子の興味関心の広がりにも影響
ロート製薬「こどもの目の白書2024」より
「“見る”というのは、授業で学ぶだけでなく、遊びやスポーツなど好きなことに夢中になるうえでの、いわば経験の土台です。視力低下は子どもたちの日々の過ごし方や興味関心の拡がりにも影響を及ぼしてしまうのです」
「メガネをかければ済む」と簡単に考えがちだが、実は子どもの目は成長段階にあり、目の機能は6〜8歳ごろまでにほぼ完成すると言われている。だからこそ、見えづらさに早く気づき、必要に応じて眼科で相談することが大切だ。
しかも、通常の視力低下における学校検診は年に1回。次の検診までに急激に視力が悪化する可能性もある。親の観察が命綱であるにもかかわらず、同調査で子どもの目の健康のために「何か対策をしている」と答えた親はわずか21.2%にとどまる。
「子ども自身が『見えづらい』と言わない以上、大人が気づいてあげるしかありません。テレビを観る距離が前より近くなった、目をよくこする、顔を傾けて見ているなど、日常生活の中にあるちょっとしたサインを見逃さないことが大切です」
ブルーベリーだけじゃない、目にいい「黄色い」食べ物とは?
ロート製薬「こどもの目の白書2024」より
栗きんとんなどに含まれるクロセチン(写真はイメージ)
小松菜、ほうれん草などに含まれるルテイン(写真はイメージ)
まず「外」だが、屋外で過ごす時間を確保することが、近視予防の観点で有効とされている。太陽光に含まれるバイオレットライトなど、屋外光のさまざまな要素が近視の進行に関係する可能性も報告されている。これは1日2時間程度屋外にいることで効果を発揮する。外を走り回る必要はなく、通学時間も含めてトータル2時間、太陽光を浴びればOKだ。直射日光でなくとも、日陰や、窓を開けた室内(窓際)に座るだけでも効果はあるという。近年はUVカットメガネをかける子どもも増えているが、メガネの隙間から入る光や屋外環境そのものが影響を与えることもある。紫外線対策をしつつ、無理のない範囲で外で過ごす時間を確保することが重要だ。
「食」に関しては、ブルーベリー(アントシアニン)が一般に定着しているが、目にいい成分として注目される成分「カロテノイド」が挙げられる。その一種「クロセチン」はクチナシの黄色い色素で、栗きんとんやサフランなどに豊富に含まれており、サプリでも摂取可能。同じく「ルテイン」はケール、モロヘイヤ、ほうれん草、小松菜などの緑黄色野菜に豊富に含まれる。
生活習慣や食生活の見直しは、親世代が明日から実践できる具体的な対策。すでに視力が低下していても、進行を抑制することは可能なのだから、さっそく実践したい。
近視予防に取り組むロート製薬、なぜ「目薬が売れなくなる」ような活動を?
ロート製薬『ミルミルノビル プロジェクト』
ロート製薬は、このように子どもたちに向けた活動を古くから実施。「ロートアイケア教材」を自治体や学校、HP上で提供するなど、複数の取り組みを行ってきた。しかし、「なかなか世の中に広がっていかなかった」というジレンマも。そこで今年、これまで点在していた複数の活動を一つに束ね、「子どもの目を育てる」をコンセプトに『ミルミルノビル プロジェクト』(外部サイト)を始動。「子どもの視力低下は大きな社会問題。アイケアをリードする会社として、世の中に広く伝えていきたい」と抱負を述べる。
しかし、1909年に「ロート目薬」を発売して以来、100年以上にわたり国内トップシェアを誇る目薬の老舗が、なぜ「目薬が売れなくなる」ような活動に注力するのか。うがった見方をすれば、目が悪い人が増えた方がビジネスになるはずだが…。
「当社は、ウェルビーイングに貢献することを企業理念に掲げています。子どもの目の健康を守ることは、子どもの未来の可能性を育て伸ばしていくこと。目薬という対症療法だけでなく、未然に防ぐ習慣づくりも長年目の研究に取り組んできた当社の使命です」
プロジェクトのコンセプトを「目を守る」ではなく、「目を育てる」にした理由もそこにある。
「お子さんの背を伸ばす、運動機能を育むのと同じように、目もお子さんが学んだり、スポーツしたり、将来の夢を叶えるために大切な要素。主体的に関与し育てていってほしいという思いを込めています」
とはいえ、子どもたちの視力低下の課題は短期的には解決できないのも事実。繰り返し続けていくことが大事であり、大府市の取り組みでも見据えているのは10年後。「裸眼視力1.0未満の比率が下がってくると、市内において一定の効果が得られたことになるのかなと思っている」と、長期的な活動を考えている。
「この50年間で子どもの虫歯が半減したのは、親の『歯磨きした?』という声掛けが当たり前になったから。それと同じように、『目を大切にできた?』が家庭の当たり前になる社会を作りたい。デジタルデバイスの連続使用は目に負担がかかりますが、子どもの可能性を伸ばす面もあります。一概にダメと言うのではなく、目を育てるためにできることを実践していく世の中にしたいですね」
■『ミルミルノビル プロジェクト』(外部サイト)
(文:河上いつ子)