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【金融経済教育】20代「7人に1人」が詐欺被害…貸金業者によるリアルな“お金の授業”にオファー続々「学校では教えきれない」
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『SMBCグループ金融経済教育セミナー』
「消費者金融で借りればいい」、バイト・副業詐欺で借金を背負う若者たち
『20代の金銭感覚についての意識調査2026』より(SMBCコンシューマーファイナンス調べ)
詐欺に遭った若者がプロミスなどの消費者金融を訪れることもあるが、最も多い理由は、「詐欺に遭った過程でお金が必要になり、詐欺師から消費者金融で借りるよう指示される」から。しかし、契約時点ではまだ詐欺に遭っているという自覚が無く、後になって詐欺であることを認知し、不必要な借り入れをしてしまったことが発覚する悲劇が増えているという。
具体的な事例として近年増加しているのが、バイトや副業に関する詐欺だ。深刻な社会問題となっている闇バイトとは直接的な関係はないものの、同じようにSNSなどで「簡単で高額」と謳う手口が多発。応募すると、より収入を得るために教材を買うよう勧められ、「お金がない」と断ると「消費者金融で借りればいい。すぐに元が取れるから」とそそのかされるのだ。言われるがままに借り入れをして教材を購入するも、そのあと連絡が途絶えたことでようやく詐欺と気づく。こうして、借金を背負う若者が増えているという。
さらに深刻なのは、個人情報を握られた状態で借金を抱え、返済のために闇バイトに加担させられ、被害者が加害者へと転落してしまう負の連鎖だ。
ゲーム課金や推し活、キャッシュレス…借り入れに至る原因
『20代の金銭感覚についての意識調査2026』より(SMBCコンシューマーファイナンス調べ)
森川さんは「一定の収入はあるものの、趣味やイベント等で出費が重なることで生活費が苦しくなり、カードローンの利用ニーズが高まるケースも増えている」と現状を語り、「また、家計管理の観点では、キャッシュレス決済によって見えないお金の動きを把握することが出来ず、手元の現金が足りなくなるというケースもあります。気がついた時には、返済のための資金が確保できず、借金返済のために借金をする負の連鎖に陥ってしまうのが一番危険」と警鐘を鳴らす。収入と支出を把握し、自分に合った無理のないお金の使い方、借り方を考えることが大切だ。
注意したい“スマホ完結型詐欺”、だまされるのは高齢者だけではない
厄介なのは、下4桁に「0110」と実在の警察署等の電話番号を偽装表示させる場合があること。「早く身の潔白を証明しなければ」という焦りを突かれ、個人情報を渡してしまう若者の心理も背景にある。「その場で個人情報を伝えるのは絶対にNG。いったん電話を切って自分で調べた警察署の代表番号に連絡して確認したり、警察や家族などの信頼できる人に相談することが大事」とアドバイスする。
電話での詐欺被害といえば、これまでは高齢者が狙われる“オレオレ詐欺”が主だった。しかし近年は、スマホの画面内だけで騙しから支払いまで完結できるため、「属性に関係なく若者も狙われている」とのこと。マッチングアプリで出会った相手から投資話を持ち掛けられるなど、SNSやデジタルプラットフォームを使った“スマホ完結型詐欺”が、現代の若者を狙う金融トラブルの大きな特徴といえるだろう。
“丸腰”の若者が狙われる現状、「教員では教えきれない」学校現場からの声
『SMBCグループ金融経済教育セミナー』
同社が学校等で実施している『SMBCグループ金融経済教育セミナー』で先述のような実例を紹介すると、学生たちから「身近に起きているとは思わなかった」「こんな手口があるのか」「自分も騙されてしまうかもとハッとした」という声が多数あがるという。教師たちからも、「最新の手口は教員では教えきれない。金融のプロが実例を交えて教えてくれるのはありがたい」との意見が多く聞こえてくるそうだ。
“丸腰”のままスマホ詐欺の脅威にさらされる若者たち。彼らが情報を得られないのであれば、早くから教育という形で提供することは非常に有意義であるように感じられる。実際、同社が無償で実施しているSMBCグループ金融経済教育セミナーは、15年間で累計285万人以上が受講するほど需要の高いものになっているという。
貸金業者がなぜ“無償”で? 金融経済教育を続ける理由「めぐりめぐって…」
この活動はもともと、2011年に社会貢献活動(ゴミ拾いやイベント手伝い等)の一環としてスタート。その後、学校側からの依頼を機に「お金のプロによる授業」が口コミで広がっていった。さらに、2022年には民法改正で成年年齢が18歳に引き下げられ、親の同意なしでローン契約などが可能になったことを受け、学校へのセミナー提供に一段と注力。現在は全国11拠点で約50名の専門講師が活動しているが、背景には「お金を貸す企業」ならではの切実な思いもあるという。
「不必要な借り入れで返済できなくなると、その方の信用に傷がつきます。また借金返済のために高額な収入を得ようとした結果、被害者が詐欺の加害者になってしまうこともある。若者が立ち直れなくなれば我が国の将来の成長が縮小し、めぐりめぐって当社のビジネスにも悪影響が及びます。だからこそ、貸金業者としての専門性を生かし、できる限り未然に防ぐために最新事例をお伝えし、若いうちから金融トラブルの知識と対策を“自分事”として身につけていただきたいのです」
現在では、金融トラブルの知識を一方的に伝えるだけでなく、アクティブラーニングやゲームを活用し、同社のデータやノウハウを組み込んだ実践的かつ親しみやすいプログラムも提供しているそうだ。
お金のトラブルに遭わないため、「知識というシールド(盾)」を持つ
「金融知識というと投資教育と考えがちですが、学生はまだ手元にお金があるわけではないため、基本的な金融知識やトラブル回避法、ライフデザインに重きを置いています。専門性を高めた教材を多岐にわたり開発し、学校の要望に合わせてカスタマイズできるようにしています」
「今後も若年層の金融リテラシー向上に向けて、貸金業者としてより専門性とリアリティを追求した内容で金融経済教育を展開していきたい」と語る森川さん。若者がお金のトラブルに遭わないためにまず必要なのは、「知識というシールド(盾)」を持つことだ。そして万が一、巧妙な罠に足を踏み入れてしまったときは、「決して一人で抱え込まず、早めに警察や信頼できる大人に相談する」という行動の選択肢を持っておくことでもある。
スマホひとつで簡単にお金が動く利便性の裏には、つねに見えない危険が潜んでいる。巧妙化する金融トラブルから身を守る術は、もはや現代を生きるための必須科目と言えるだろう。若者たちが自らの未来を守り、安全に人生を切り拓いていくためにも、社会全体で金融リテラシーを育む環境を広げていくことが求められている。
■SMBCコンシューマーファイナンス 金融経済教育(外部サイト)
(文:河上いつ子)