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「低糖質」「高たんぱく」でも要注意? 管理栄養士が「スーパーで買わない食品5選」その理由とは?

 スーパーには「低糖質」「高たんぱく」「無添加」など、健康によさそうな表示の商品が並んでいる。一方で、病院で30年以上にわたり栄養指導を行ってきた管理栄養士の林安津美さんは、食品を選ぶ際にパッケージの印象だけで判断せず、原材料表示や栄養成分表示を確認しているという。そんな林さんが、日常的にはなるべく買わないという食品とは? その理由と、食品選びでチェックしたいポイントを聞いた。
管理栄養士・林安津美さん

監修者 管理栄養士・林安津美さん

大学卒業後、JAあいち厚生連に入職。37年間、病院の管理栄養士として勤務、その間豊田厚生病院・安城更生病院の技師長として17年間在籍。病態栄養専門管理栄養士・日本糖尿病療養指導士・腎臓病療養指導士・がん病態栄養専門管理栄養士・和漢薬膳師等の資格を生かし、現在はたいや内科クリニックで患者に寄り添った医療を届けている。
たいや内科クリニック:https://taiya-naika.com

スーパーで食品を選ぶときのチェックポイント

 スーパーで食品を選ぶ際、私が確認しているのは、「原材料表示」「栄養成分表示」「食塩相当量」「糖質・脂質」「食品添加物」の5つです。ただし、「○○が入っているから買わない」と一つの成分だけで判断するのではなく、どのくらいの量を、どのくらいの頻度で食べるのかも含めて考えています。

 まず確認したいのが【原材料表示】です。原則として使用量の多いものから順番に表示されているため、最初の数項目を見るだけでも、その食品に何が多く使われているのかが分かります。似た商品で迷ったときは、原材料表示を比較し、できるだけシンプルなものを選ぶこともあります。

 【栄養成分表示】では、エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量を確認します。特に注意したいのが表示単位です。「100g当たり」「1個当たり」「1包装当たり」など商品によって異なるため、自分が実際に食べる量に置き換えて考えることが大切です。
 なかでも【食塩相当量】は、総菜、弁当、麺類、加工肉、漬物、スープなどを選ぶ際によく確認します。また、菓子パンや菓子類、清涼飲料水などは【糖質・脂質】にも注目します。「糖質オフ」「脂質オフ」「砂糖不使用」などの表示だけで判断せず、栄養成分表示全体を見るようにしています。

 【食品添加物】についても、原材料表示で確認します。ただ、「添加物が入っている=体に悪い」と考えているわけではありません。添加物には、保存性を高めたり、食品の安全性を保ったりするために使われるものもあります。数だけで食品を避けるのではなく、塩分や糖質、脂質、エネルギー、栄養バランス、食べる頻度などを含めて判断しています。

 大切なのは、「低糖質」「高たんぱく」「無添加」といったパッケージの表示だけで決めないこと。裏面の原材料表示や栄養成分表示を確認し、その食品を普段どのくらい食べるのかまで考えることです。

 では、こうした点を踏まえて、私がスーパーで日常的にはなるべく買わない食品とは? 具体的な食品を5つ紹介します。

管理栄養士が日常買いしない食品1「菓子パン」

 菓子パンは、私がなるべく日常的には買わない食品の一つです。

 パンなので「食事」というイメージがありますが、商品によっては砂糖や油脂を多く使用しており、糖質と脂質を同時に多く摂りやすく、エネルギーも高くなりがちです。菓子パンだけで朝食や昼食を済ませてしまうと、たんぱく質や食物繊維、ビタミン、ミネラルなどが不足し、栄養バランスが偏りやすくなります。

 代わりにおすすめしたいのは、シンプルな食パンや全粒粉・ライ麦などを使ったパンです。菓子パンのように砂糖や油脂を多く使用したものより、原材料が比較的シンプルなものを選び、全粒粉などを使用した商品では食物繊維量も栄養成分表示で比較するとよいでしょう。ただし、パンだけでは栄養が偏りやすいため、ゆで卵、チーズ、無糖ヨーグルト、牛乳、野菜などを組み合わせることがポイントです。例えば「クリームパンとコーヒー」ではなく、「全粒粉パン+ゆで卵+無糖ヨーグルト+野菜」とすると、たんぱく質や食物繊維なども補いやすくなります。

管理栄養士が日常買いしない食品2「カップ麺・インスタント麺」

 カップ麺・インスタント麺で特に気になるのが食塩相当量です。商品によって異なりますが、麺だけでなくスープにも多くの塩分が含まれているものがあり、脂質が多くなる商品もあります。さらに、カップ麺だけで1食を済ませると、野菜や食物繊維、たんぱく質などが不足しやすく、食事全体のバランスが整いにくい点も気になります。

 麺類を食べたい場合は、そばやうどんなどを選び、卵、肉、豆腐、わかめ、きのこ、野菜などを加えるのがおすすめです。市販の麺類を選ぶときに私が特に確認するのは「食塩相当量」で、同じような商品でも塩分量には差があるため、栄養成分表示を比較します。カップ麺を食べる場合でも、スープを全部飲まない、野菜や卵を加えるといった工夫をすれば、塩分を抑えながら栄養バランスを整えやすくなります。

管理栄養士が日常買いしない食品3「清涼飲料水・加糖飲料」

 ジュース、炭酸飲料、スポーツドリンクなどの加糖飲料は、なるべく日常的には購入しないようにしています。理由は、液体から糖類を摂ると、知らないうちに摂取量が多くなりやすいためです。飲み物は固形物と比べて満腹感につながりにくく、食事とは別にエネルギーを摂取することにもなります。特にスポーツドリンクは「健康的」というイメージを持つ方もいますが、日常生活で水分補給として常に飲む必要があるとは限りません。

 普段の水分補給であれば、水、麦茶、緑茶などの無糖のお茶、無糖の炭酸水がおすすめです。「果汁入り」「ビタミン入り」「スポーツドリンク」など、健康的に見える商品でも糖類を含むことがあるため、商品名やパッケージのイメージだけでなく、原材料表示や栄養成分表示の炭水化物なども確認しましょう。甘い飲み物を毎日飲んでいる方は、いきなりすべてやめるのではなく、1日1本を水やお茶に置き換えるところから始めるだけでもよいと思います。

管理栄養士が日常買いしない食品4「スナック菓子」

 ポテトチップスなどのスナック菓子は、脂質、塩分、エネルギーを摂り過ぎやすいため、日常的にはなるべく買わないようにしています。袋を開けるとそのまま食べ続けやすく、「少しだけ」のつもりでも1袋食べてしまうことがあります。完全に禁止する必要はありませんが、購入する場合には栄養成分表示の「1袋当たり」のエネルギーや脂質、食塩相当量を確認し、小袋の商品を選ぶなど、食べる量を決めておくことがポイントです。

 間食には、果物、無糖ヨーグルト、無塩ナッツなどを選ぶことがあります。スナック菓子は脂質や塩分、エネルギーを摂り過ぎやすいのに対し、食品を上手に選べば、間食から不足しやすい栄養素を補うこともできます。ただし、ナッツは健康によいイメージがありますが脂質が多く、エネルギーも高いため、食べ過ぎには注意が必要です。「健康によい食品だからたくさん食べてよい」わけではなく、適量を意識することが大切です。

管理栄養士が日常買いしない食品5「加工肉(ハム・ソーセージ・ベーコンなど)」

 ハム、ソーセージ、ベーコンなどの加工肉も、便利ではありますが、毎日のようには購入しないようにしています。理由の一つは、商品によって食塩や脂質を多く含むものがあることです。また、加工肉については、摂取量が多いほど大腸がんのリスクが高くなることが報告されています。そのため「一切食べない」と考える必要はありませんが、朝食のハム、昼食のソーセージ、夕食のベーコンというように毎食重ねるのではなく、肉や魚、卵、大豆製品など他のたんぱく源も取り入れることをおすすめします。

 加工肉の代わりには、魚、鶏肉や豚肉などの加工していない肉、卵、豆腐・納豆などの大豆製品を選ぶことをおすすめします。例えば朝食で毎日ハムやソーセージを食べているのであれば、「今日は卵、翌日は納豆、その次は魚」というように、たんぱく源を変えてみるとよいでしょう。忙しくて加工肉を利用する場合には、栄養成分表示を確認して、できるだけ食塩相当量や脂質が少ない商品を比較して選ぶことも一つの方法です。

「何を食べないか」より「何を食べるか」

 今回挙げた5つの食品を避けているのは、「添加物が入っているから」ではありません。健康のために食品を選ぶ際にお伝えしたいのは、「一つの食品や成分だけで良し悪しを判断しない」ということです。「添加物が入っているから食べない」「糖質が多いから避ける」といった考え方に偏る必要はなく、重要なのは何を食べたかだけでなく、どのくらいの量・頻度で食べているかです。菓子パンやカップ麺、スナック菓子なども、たまに楽しむ程度なら罪悪感を持つ必要はありません。

 また、「無添加」「糖質オフ」「高たんぱく」といった表示だけで健康的だと判断するのも注意が必要です。糖質が少なくても脂質やエネルギーが多い場合や、無添加でも塩分・糖質が多い食品もあります。原材料表示や栄養成分表示も確認する習慣をつけてほしいと思います。

 意識してほしいのは、「何を食べないか」より「普段、何を食べるか」という視点です。ご飯などの主食、魚・肉・卵・大豆製品などの主菜、野菜・海藻・きのこ類などの副菜を基本に組み合わせ、加工食品やお菓子も生活に合わせて上手に利用するのが、現実的で続けやすい食生活だと思います。

 健康のための食事は、毎日100点を目指す必要はありません。数日単位でバランスを整える気持ちで十分です。食品表示は「怖いものを探す」ためではなく、自分に合った食品を選ぶための情報として活用してほしいと思います。

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