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「好きなことを生業にする」覚悟とは? 楽天モバイル・大前悠美ヴァイスディレクターが明かす“楽天人”としての矜持
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携帯キャリアの生命線は“基地局”、だからこそ1000万回線突破は悲願だった
【大前悠美さん】ありがとうございます。私はサービス開始の初期段階からモバイル事業に参画したのですが、当時の状況を考えますと、昨年末に達成した1000万回線突破という結果は通過点ではありますが、非常に感慨深いです。我々は後発であり、基地局の整備に携わってきた者からしますと、苦戦する場面も正直ありました。そのような状況下から、何とかサービスとしての成長を重ね、お客様の満足度に繋がったことにホッとしております(笑)。
――通過点とは言え感慨深いものがありますよね。なぜなら大前さんは基地局設置における統括として、インフラ整備の最前線に立たれてきた。回線状況の良し悪しも、この基地局の設置状況に左右されます。まさにユーザー満足度という点において最も重要な役割を担ってきました。基地局の増設についても、まさに足で稼ぐ“ドブ板営業”を行っていたと思いますが。
【大前悠美さん】おっしゃる通りです。本当に1局1局、いわゆる“4G”と呼ばれる基地局もそうですし、“5G”やプラチナバンドも取得している中で、さまざまな回線を組み合わせて満足度の高いネットワークを構築することに最も注力してきました。そこにご不満や落ち度があれば、サービスの解約要因になってしまいますので、生命線と言えるでしょう。ですが、まだまだ完璧とは言えない状況です。お客様からも厳しいお声も頂いておりますので、引き続き改善活動に従事します!……でも、1000万回線突破は本当に嬉しかった(笑)。
――やっぱり嬉しいですよね(笑)。
【大前悠美さん】電波という目に見えないものを追うのが基地局ですので、正直、成長の体感がしづらい面もあります。ですが、回線数の伸びに貢献するという、数字として見えてくるものがあると、我々のやりがいにもなりますし、さらなる高品質を提供していきたいという強い思いを基地局メンバーと共有しています。
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リーマンショック時に新卒入社、配属先のドアを開けた瞬間に感じた熱気
【大前悠美さん】そうですね。入社前の大学生だった私にとっては、リーマンショックの潮流を完全には理解していなかったとは思うんですけれども、やはりそのような状況下で就職活動をしている中でも、楽天はすごく活気があり、どの会社よりも勢いがあった印象があります。入社当時、私は楽天市場事業に配属されたのですが、オフィスの扉を開けた瞬間に熱気を感じました。ひっきりなしに電話が鳴って、出店者様との綿密なコミュニケーションを図る…本当にエンパワーメントという言葉がピッタリはまる空気をフロア全体から感じました。
――当時の大前さんが上司からのアドバイスで特に印象に残っている言葉はありますか?
【大前悠美さん】たくさんありますが……3ヵ月の研修を終えて、いよいよ本配属になるタイミングで「ここからはお客様気分は捨てなければいけない。あなたはもう楽天の一員なのだから、プライドと主体性を持って取り組まないといけない」と言われたことは強く印象に残っています。
――“楽天人”としての立ち居振る舞いを課せられたわけですね。
【大前悠美さん】まだどこかで、会社の一員として看板を背負って業務をしていくことの覚悟が足りてなかったのだと思います。新卒だろうと担当する店舗様からすれば、1人の楽天社員として見られてしまうので。しっかりと看板を背負ってやっていくぞ! と襟を正すきっかけになった言葉です。
――本配属になったら上も下もない、1人の楽天人として自主自立の心構えで臨まないといけないわけですね。とはいえ、まだ経験値が足りない状況です。沢山の失敗も経験してきたと思いますが、自信を喪失したまま落ちていかずに、いかに失敗を糧にされてきましたか?
【大前悠美さん】入社してすぐにECコンサルタントとして店舗様の売上をサポートしていく部署に配属されたのですが、最初の挫折はシンプルに目標数字に到達しないということでした。初めての“ビジネス”という枠組みの中での店舗様とのコミュニケーションで上手くいかないことが沢山ありました。本配属からしばらくの期間で目標未達が続いてしまい、会社に貢献できていないことに責任を感じましたし、もちろん私が担当している店舗様の売上を上げられないという責任も感じて凄く苦しかったです。
――焦れば焦るほど空回りしてしまう…。
【大前悠美さん】今思い返しても胸が締め付けられるといいますか(笑)。本当に一番苦しい時期でした。同期や近しい仲間を見ても、しっかりとパフォーマンスを発揮しているメンバーや、周りから見ても成長を実感できるメンバーもいて…だからこそ自分の不甲斐なさから営業職に向いてないのでは? という喪失感も生まれました。
――そこからどのように巻き返しを図ったのでしょうか?
【大前悠美さん】もちろん基本的な営業スキルを磨くなど、ベーシックな部分を身に着けていくのは当然なのですが、自分の良さを全然出せてなかったことに気づいたんです。同じ営業担当でも、それぞれが異なるスタイルで店舗様と向き合っている。それを垣間見てマニュアルを身に付けつつ、自分の持ち味をどのように入れていくのかを模索し始めました。自分の強みは「着飾らずに足を使う」ことでした。現地に直接赴いて話させていただいたりすることで距離が詰まる。そうすると店舗様の意向がより見えてきますし、こちらの提案を考えて頂けるきっかけにもなったんです。
――大前さんの強みは相手との適切な距離感で、いかに“向き合うのか”を実直に進める行動力なんですね。自信にも繋がったし、自分自身を取り戻したという意味においても分水嶺だったのですね。
【大前悠美さん】自分の気持ち、情熱をしっかりと伝えられるようになってからは、苦しい状況も段々減ってきて、徐々に売上も上がっていきました。そうなってくると凄く仕事が楽しいんですよね。「もっと良くしたい!」「もっと店舗様の売上に貢献したい!」という、持ち前のポジティブ思考に拍車が掛かったといいますか(笑)。仰って頂いたように、自分自身を取り戻したということが本当に大きかったのだと思います。